【趣味】今週の1冊【読書】
2025/08/26
今週の1冊
『国宝』 吉田修一
今回ご紹介するのは、今まさに話題の映画の原作小説でもある、吉田修一さんの『国宝』です。
歌舞伎という日本の伝統芸能を舞台に、役者として生きる人間の情熱や孤独、そして芸の世界の厳しさを描いた壮大な物語。そのスケール感に圧倒されると同時に、芸を極める者の姿勢や人生に胸を打たれる一冊です。
【映画と小説、それぞれの魅力】
先に映画を観てから小説を手に取ったのですが、どちらにもそれぞれの良さがあります。
映画は何といっても華やかで豪華。歌舞伎の舞台の迫力、煌びやかな衣装や舞台美術、そしてカメラワークによる圧巻の映像表現は、劇場でしか味わえない感動でした。
歌舞伎や古典芸能に馴染みのない方でも、視覚的に楽しめる魅力が詰まっています。
特に、普段は観客性からしか見ていない方にとっては、演者目線や演者の裏側、舞台袖など、普段見れない風景は楽しめるのではないでしょうか。
一方で小説は、映画とは比べものにならないほどの情報量と深みがあります。人物の心の奥にある葛藤や、芸の世界でしかわからない人間模様、映画では省略されていたエピソードや登場人物、その関係性、背景が丁寧に描かれており、物語の厚みをより一層感じられます。
まさに「映画は序章、小説こそ本編」とオススメしたくなるほどです!
進め方も、語り部口調なので、読みづらい方もいるかもしれえませんが、
それが、「国宝」の世界観を壊さず、より深め情景を想像しやすくしている要素の一つかもしれません。
「映画で描かれていたあのシーンは、実はこんな背景があったのか」と気づける瞬間が沢山あり、
映像の体験をさらに深めてくれるのも、後から小説を読むのも楽しみ方の一つです( ´ ▽ ` )
【小説を読んでこそ感じられる余韻】
『国宝』の終盤は、映画も小説もそれぞれに美しくまとまっていますが、
個人的には小説のラストにより心を動かされました。映像を先に観ていたこともあり、
登場人物の姿や舞台の情景が頭の中に鮮やかに浮かび、小説の一文一文が強く迫ってくるのです。
特に印象に残っているのは、「そう、景色。……そりゃあ、綺麗な景色でさ。この世のものとは—」という一節。舞台上の一瞬の輝きと、人生の儚さが重なり合うような描写で、胸が締め付けられる思いでした。
そして最後に「この作品を亡き父に捧ぐ」と締めくくられる一文は、物語の余韻をより深いものにし、読み終えたあともしばらく心に残り続けました。
【読むタイミングとして】
文庫は上下巻構成に分かれていて、1冊1冊が厚いため、一見すると長編で気が遠くなりそうに感じるかもしれません。
ですが、読み始めると物語に引き込まれ、気づけばページをめくる手が止まらなくなります。
「今日はこの辺で」と区切りながらも、「次が気になる!」と読み進めてしまう――
そんな力を持った作品です。
一気に世界観に引き込まれていくと思いますよ☆
自宅でゆっくり過ごしたいときに読むのにぴったりだと思います。
映画を観てからでも、小説を先に読んでからでも、それぞれに楽しみ方があるので、
ご自身のペースでぜひ挑戦してみてください。
個人的には、映像→小説が良いかな?と思います。
『国宝』は、歌舞伎界を舞台にしながらも、芸を極める者の姿勢や人間としての在り方を描き、読む人に多くの問いを投げかけてくる用に感じる部分もあります。
映画を観た方には「もっと深い国宝の世界を味わえる一冊」として。
まだ観ていない方には「まずは、原作を読んでから楽しみたい」として。
「芸に生きるとはどういうことか」「伝統を受け継ぐとはどういうことか」
ぜひ、手に取ってみてください。
映画で得られる感動を何倍にも膨らませてくれる、心に残る名作ですm(_ _)m
趣味で繋がる美容室
読書が好きな方にも、何か新しい1冊が見つかるかも?
興味があるけど、まだ読んでいない1冊を手に取るきっかけに
昔は読んでいて、今は読めていない方には、懐かしさと再読や、また読み始めるきっかけに
読書をこれから始めたい人にも、オススメをご紹介できればです!
当日予約OKd( ̄  ̄)
ご予約お待ちしております
----------------------------------------------------------------------
hair salon home
住所 : 東京都北区滝野川6丁目32−14
えんぷらす滝野川 102号室
電話番号 : 03-6903-6337
板橋で小説レンタルサービスができる美容室
----------------------------------------------------------------------