【読書】今週の1冊【本が借りられる美容室】

『モンスター』／百田尚樹

今週の1冊は、百田尚樹さんの小説『モンスター』。
タイトルのインパクトも強いですが、こういうタイトルで手に取ってみるのも面白い出会いがありますよ♫

主人公は、外見のコンプレックスに苦しみながら育った女性。
心ない言葉やいじめ、家庭の中の孤独…
それらが積み重なり、やがて彼女は「別人になる」ほどの整形を繰り返していきます。

まるで執念のように、何度も何度も、自分の姿を塗り替えていく彼女。
気づけば誰もが振り返るほどの“美貌”を手に入れ、
そこから彼女の世界は少しずつ変わっていきます。

美しくなることは、彼女にとって“快感”だったのかもしれません。
目に見えて扱いが変わる。
これまで受けなかった好意や羨望を、次々と浴びる。

でもその一方で——
「本当に変わったのは自分なのか？」
「外見は整っても、心の中は……？」
読んでいるうちに、そんな問いがじわじわと心に染み込んできます。

物語の中では、男性たちが彼女をどう扱うか、その態度の変化も非常にリアルに描かれていて、
“ヒエラルキー”という言葉が頭をよぎるほど。

「外見より中身が大事」とよく言われますが、
この小説はその「綺麗事」に真っ向から問いを投げかけてきます。
誰もが心のどこかで感じている【美しさの価値】について、
改めて考えさせられる作品ではないでしょうか？

そしてラスト――
彼女は、本当に「幸せ」になれたのか、、、

と思うのではないでしょうか、、、
読んだ人によって、受け取り方はきっと違う。
だからこそ、この物語は「読後」が静かに心に残ります。

美容師としても、人としても、
この作品は美しさというものの奥行きを見せてくれる気がしました。

髪を整える。肌を整える。
自分を好きでいられる状態をつくるための努力は、決して軽くない。

けれど、美しさを手にすることによって得られる“気づき”や“力”があるのも確かです。
 

homeでは「小説が借りられる美容室」として、ちょっとした読書のきっかけをご用意しています。
ご来店時に読んでも、借りてお家で読んでも◎
髪だけでなく、心もちょっと整うような、そんなひとときをどうぞ。

趣味で繋がる美容室であり、普段は手にしない1冊を手に取ってみたり、昔読んでいた1冊を改めて読んでみたり、読書を始めてみたり、、、

オススメのご紹介もしますので、よければ一声おかけくださいm(_ _)m

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