今週の1冊
2026/06/10
今週の1冊
八日目の蝉 / 角田光代
映画やドラマにもなった作品
主人公の希和子は、赤ん坊を衝動的に連れ去り、
その子を「薫」と名付けて我が子のように育て始めます
当然、それは許されない罪。そこから彼女たちの、長く過酷な逃亡生活が始まります。
警察の影に怯えながら、名前を変え、場所を変え、日本中を逃げて、逃げて、迷い込んで……
行く先々で様々な人々に助けられながらも、決してひとつの場所にとどまることはできず、
ただ必死に走り回っていく
「善」と「悪」「正しい」と「間違い」
そんな言葉だけでは片付けられない物語と思います。
自分が本当の母親ではないと知りながら、一瞬一瞬を狂おしいほどの愛情で満たそうとする希
和子。そして、何も知らずに彼女を「お母さん」と信じて慕う薫。
ふたりの間にあった時間は、あまりにも愛おしく、儚く、脆く、そして深く、寂しい
最後は決してハッピーエンドなのかどうかは読んでからのお楽しみですが、ページをめくるたびに、どこへ向かうのか、どこに辿り着くのか。
「愛とは何だろう」と言葉では表現しきれない
どこか歪で、危うくて、切なくて、脆く、でも確かにそこに存在している
「抑制された愛の形」をのぞいてみませんか?
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